腎不全について6つの大事なこと

 

当サイトは腎不全を中心にして、コンテンツを増やしてまいります。

よって、何からみてよいかわからない場合には、兎に角このページから読み進めていただくようお願いいたします。

1.腎不全の食事療法

腎臓に良い食べ物はこの世にありません。あるのは、「腎臓を悪化させる程度が多い食べ物か、悪化させる程度が少ない食べ物」の二つしか存在しません。
すべてのサプリメントは腎臓病を悪化させても、効果はまったくなく、玄米菜食は急激に悪化させるものでしかありません。健康な人に良いものと、すでに臓器が悪い人では根本的に違うのです。

人は食べなければ死にますが、食べ過ぎで死を早めるのが「腎不全」と「糖尿病」なのです。

2.クレアチニンが2を超えると腎不全

腎不全とは病名ではなく、腎臓の機能が30%以下になったものをいいます。
これには、年齢や性別が関与しますが概ねクレアチニンが2を超えたあたりで腎不全と呼ばれます。
クレアチニンが、2を超えるまでに5年から10年かかったとしても、2を超えれば食事療法を実践していても、約6年以内にクレアチニンが8まで達して透析となります。3を超えると約2年しか猶予期間はありません。しかも、食事療法をしなければその期間はいくらでも短縮されてしまいます。

また、透析導入ラインは一般的にはクレアチニンが8と言われていますが、年齢、自覚症状、その他の基礎疾患、カリウム値などにより、クレアチニンが6から12以上とケースバイケースです。

※風邪による発熱、各種脱水症状、徹夜などによりクレアチニンは急激に上昇します。(たった1日で2~3上昇)特に、クレアチニンが5以上の場合その後すぐに透析に移行することもございますのでくれぐれもご注意ください。

3.腎不全の死亡率

日本国内の死亡原因のうち、過去10年の間に腎不全による死亡率は常に10位以内に入っています。

これは、腎移植や透析をしていても死亡率が高まることを意味しています。

人工透析の10年生存率は46%です。

ただ、これには数字のトリックがあります。生存率を引き下げているのは、糖尿病性腎症だということです。

図2

図1死因

厚生労働省 平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況 性別にみた死因順位別死亡数・死亡率(人口10万対)

人工透析による死亡率

一般社団法人日本透析医学会参照  日本透析医学会 【2011年度の統計】
 1年生存率は2010年に導入した37,944人で検討して87.7%。
 2006年導入患者の5年生存率は60.3%
2001年導入患者の10年生存率は36.2%
1996年導入患者の15年生存率は22.7%
1991年導入患者の20年生存率は16.3%
1986年導入患者の25年生存率は14.1%

 

4.腎臓移植について

腎臓移植の生着率は、期限があるということ。

生着率が最も高いのは、兄弟間と言われています。平均12年。血縁関係のない献体腎の場合で平均5年。

また、日本の場合生体腎移植が多く、夫婦間、兄弟間、親子間で行われますが、できるだけ避けてほしいのは子から親への移植です。親から子の場合は常識的にもあってしかるべきですが、子から親への移植は最後の最後の手段とするべきです。腎機能の低下は、遺伝性は言われていませんが(多発性のう胞腎を除く)隔世遺伝的に発症することがよくあります。

その時に、お孫さんの腎臓が悪化した場合、その親の腎臓を移植できないということになってしまうのです。

5.腎不全の薬について

腎不全になった場合、腎臓をよくする薬はいまだこの世に存在しないということ。

急性の糸球体腎炎になった場合、扁摘パルス療法があります。この場合のステロイドは寛解のための唯一の薬ですが、腎不全になった場合は、血圧を下げる薬、尿酸を下げる薬、貧血を改善する注射、体内の毒素を排出する薬などしか存在しないのです。

6.腎臓の再生医療について

ips細胞による腎臓再生医療も夢ではなくなってきました。

しかし、今すぐにできる治療(食事制限)をしない患者さんほど、再生医療を口にし、夢だけを見て、透析に突き進んでいきます。

今できることを実践する人だけが、将来の医学に希望を託せるのだと思います。